指の変形関節症のうち、手の指の第1関節の変形を「へバーデン結節」、第2関節の変形を「ブシャール結節」といいます。

​ブシャール結節とは

​手の変形性関節症の一つで、指の第2関節(PIP関節)に痛み、腫れ、屈曲、水ぶくれのようなふくらみを持つ粘液嚢腫(ミューカシスト)などの症状が現れる病気です。関節の軟骨が摩耗し、骨と骨がぶつかることによって関節に炎症が発生し、関節の腫れや痛みを生じて、指の曲げ伸ばしが難しくなります。へバーデン結節と合併して発症することもあります。
これが繰り返されることにより、第2関節にコブ(結節)ができたり、関節が変形するのが特徴です。症状の程度は個人差があり、すべての人に痛みや強い変形が現れるとは限りません。関節の動きが制限されるところまで変形が進行すると痛みがおさまります。原因は不明ですが、加齢や指の使い過ぎ、女性ホルモン、遺伝などの関与が可能性として挙げられています。病院を受診する時は、手外科または整形外科を受診します。

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ブシャール結節

​ー疫学ー

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65±13歳の男女の変形性関節症の有病率(%)

1)

ブシャール結節は、へバーデン結節とともに、40代以降の女性に多く発症する傾向があり、

すべての指について起こる可能性があります。

ブシャール結節は、手の変形性関節症の中で、患者数が多いものの一つと言われています。

1)児玉ら「手の変形性関節症の有病率と関連因子-大規模住民コホートROADスタディー」整・災外, 2018, 61, p499-503.

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​ 原 因

ブシャール結節の原因は、まだ解明されていません。一般に40歳代以降の女性、手を良く使う人はなりやすい傾向があります。また、妊娠、出産や更年期障害によるホルモンバランスの乱れや低下との関わりが指摘されています。遺伝性は証明されていませんが、へバーデン結節、ブシャール結節にかかった親戚をお持ちの方は、注意する必要があります。

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​ 病 態

第2関節の軟骨の変性により、関節の隙間が狭くなり、骨が摩耗します。摩耗した骨により関節の壊れや周囲に骨の膨隆(骨棘(こつきょく))が生じます。また、関節の炎症により関節を包んでいる袋がゆるみ、関節が屈曲方向に曲がりはじめます。これに伴い痛みが生じますが、痛みは、人により生じない人もいます。これにより指の曲げ伸ばしの可動域が狭くなり、横方向の傾きや動揺が現れ、痛みが生じます。これが繰り返されることにより、第2関節にコブ(結節)ができます。また、関節の炎症により関節を包んでいる袋(関節包)の壁がゆるみ、ゼリー状の滑液を内包する水ぶくれのような粘液嚢腫(ミューカシスト)ができることもあります。ミューカシストは、関節と繋がっているため、嚢胞が破れて細菌が入ると化膿性関節炎を起こす危険性がありますので、嚢胞が破れた場合は病院を受診してください。

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​ミューカシスト

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 症 状

人差し指から小指の複数の指の第2関節(PIP関節)に関節に痛み、腫れ、屈曲、変形、ミューカシストなどの症状が現れ、日によって痛みの強さや痛みの場所、腫れの状態が変わるのが特徴です。症状が現れ、徐々に進行します。疾病の進行と共に指の動きが悪くなったり、関節の痛みが強く出るため、手指を強く握ることができず、雑巾が強く絞れない、ペンや箸をうまく使えないなど、日常生活に支障をきたします。

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​ 診 断 

問診、触診、X線(レントゲン)撮影を行います。第2関節の変形やコブ、痛みがあり、レントゲン写真で関節の隙間が狭くなったり、関節が壊れたり、骨棘(こつきょく)が観察されれば、ブシャール結節と診断します。
また、ブシャール結節と似た症状を持つ関節リウマチとの鑑別のため、血液検査を行うこともあります。関節リウマチであれば血液検査の免疫に関する数値に異常を確認できますが、ブシャール結節では、血液検査の免疫に関する数値異常は認められません。その他関節リウマチの症状に含まれる、発熱、倦怠感、貧血、関節破壊があるかなどを確認して識別します。

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2)

2)Am Fam Physician, 2011, 83, 10, 1203-1205.

​骨棘

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​ 治 療

治療は、へバーデン結節と同様に、症状が軽度であれば、保存療法として、テーピングや固定具で関節の屈曲方向の動きを制限したり、横方向の傾きや動揺を固定して安静にします。また、痛み止めの投与も行います。ホルモンバランスの乱れが疑われる場合は、大豆イソフラボンから作られるエクオールを含有するサプリメントを使用することもあります。関節の隙間が狭くなっている中等度の場合は、テーピングや固定具による関節の固定や痛み止めの投与に加えて、ステロイド剤の関節注射を行います。これらの保存療法が効かない場合や変形がひどく日常生活に支障が出る重度の症例では、手術を考慮します。
手術は浅指屈筋腱切除術、または人工関節置換術を行います。浅指屈筋腱切除術は、2本の指を曲げる腱のうちの1本を切除する手術です。関節にかかるストレスを軽減することで、指の動きや痛みを改善しますが、若干、握力が低下します。人工関節置換術は、第2関節を人工関節に置き換える手術です。破壊された関節を切除することで痛みを和らげ、関節機能を改善することを目的に行います。手術後の関節の固定に使用することもあります。どちらの手術も術後のリハビリテーションが必要です。

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​やってはいけないこと、予防

第2関節に痛みを感じたことがある方は、普段から指先に過度な負担が生じることを避けます。また、へバーデン結節、ブシャール結節にかかった親戚をお持ちの方も、体質が似ていることを考慮し、指先に負担をかけないように注意する必要があります。
関節が痛むときは安静にします。痛くても指を使わなくてはならないときは、
テーピングや固定具で固定して生活します。

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